[新連載]アプリDL不要の「ウェブAR」とは 体験設計やプロモーションに用いる際のポイントを解説

[新連載]アプリDL不要の「ウェブAR」とは 体験設計やプロモーションに用いる際のポイントを解説
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 総合広告代理店・D2C IDが、ARを活用したプロモーション施策のノウハウをお届けする本連載。初回となる今回は「ウェブAR」がテーマです。

 はじめまして。D2C IDの高橋と申します。総合広告代理店でデジタル中心にCX(顧客体験)領域のプロデューサーをつとめています。

 今回のテーマは「ウェブAR」。ここ数年、ウェブARの施策に携わることも増えてきたため、プランナーやエンジニア、プロデューサーがプロジェクトを進めるうえでぶつかりやすい壁を中心に、企画や社会実装の視点から注意すべきポイントをお伝えします。

ウェブ ARのメリットとは

 「AR」という言葉を知っている人は増えた印象ですが、「ウェブAR」はどうでしょうか。「ウェブ」と名前についているのならウェブ上で見ることができるARだというところまでは多くの人がイメージできるかもしれません。そこからもう一歩踏み込んでメリットお伝えするなら「ウェブサイトにアクセスするだけで良いため、ユーザーがアプリをダウンロードする必要がない」点が挙げられます。

 広告をはじめプロモーション施策は、基本的に興味を持ってもらえない前提で考えていく必要があります。そのためいかにユーザーの関心を引きつけ、参加ハードルを少なくするか。さらに言えばそこから話題になり、新たなユーザーを呼び込んで体験を広げさせていくといったループを描いていくのが理想です。

 参加のハードルで言えば、ダウンロードしなければならないARアプリよりも、ダウンロード不要のウェブ ARのほうが低いでしょう。一方、一般的にはARアプリのほうがAR表現がリッチであったり、機能の選択肢が多かったりするため、目的に合わせてどちらが良いかを判断する必要はあります。

 またARアプリの場合は、アプリストアの申請期間をスケジュールに組み込んでおくことも大切です。ARツールやサーバーの利用費についても、ARコンテンツのアクセス量によってかなり変動があるため事前に料金形態を確認しておくことをオススメします。

 このようにウェブARとARアプリには一長一短がありますが、私は広告のプロデューサーとして参加数や話題の最大化をミッションとすることが多いため、クライアントさんにはウェブARをオススメすることが多いです。そのためここからは、ARのなかでも比較的すぐに実施可能なウェブARを想定しながら進めていきたいと思います。

ARでは「現実とのかけあわせでどんな体験を提供できるのか」を考える

 ARは「拡張現実」を指しているため、現実とかけあわせてどんな体験を提供できるのか、を考えることが重要です。

 「いつもの場所がまったく違う姿になった」「パッケージにかざしたらゲームができた」「ポスターにスマホを向けたらアーティストの曲が聴けた」。そういったモチベーション設計を入れる必要があります。

 今はTikTokやInstagramなどといったアプリのARフィルターも充実しているため、ロゴやキービジュアル、CMが出てくるのみなど、シンプルなAR体験では参加数や反響を得ることは難しいです。大切なのは、ARに参加する動機を設計すること。当たり前のようですが、さまざまな制約が重なるなかでも見失わないように心がけています。

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