人とのつながりを仕事につなげる イラストレーター・りおたさんが語る、企業コラボレーションと関係構築術

人とのつながりを仕事につなげる イラストレーター・りおたさんが語る、企業コラボレーションと関係構築術
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2024/05/08 08:00

 昨今、クリエイターが企業とタッグを組み、商品やサービスの販売促進、認知拡大、ブランディングなどに携わるケースも増加している。もちろん、イラストレーターも例外ではない。今回は、スポーツチームの公式イラストをはじめ広告、行政などさまざまなイラストを手掛けるイラストレーター りおた(RIOTA)さんにインタビューを実施。企業とのコラボレーション時に意識していることや、そのために心がけているアプローチ、制作の取り組みかたなどについて話を聞いた。りおたさんの話からは、イラストレーターとしてのキャリアをステップアップをするためのヒントが見えてきた。

地道な営業で仕事を得た、イラストレーター駆け出し期

――まずは、りおたさんがイラストレーターになった経緯からお聞かせください。

小学生のときからマンガ家になりたいと思っていましたが、中学・高校とひたすら絵を描いていくにつれ、ストーリーを考えるよりも描くこと自体が好きだと気づきました。それを機にイラストレーターを目指すようになり、地元のデザイン専門学校に進学。2年間勉強をしながら、イラストレーターとして生計を立てていくためのライフプランを練っていました。

今でこそ、SNSで話題になりいきなり人気になってしまう若手のイラストレーターさんもたくさんいますが、当時は5年くらい広告代理店などでデザインの経験を積むことが、イラストレーターとして活動していくためのいちばんの近道だと考えられていました。そのため私も専門学校卒業後は番組制作会社のグラフィック部門で、契約社員のような形で入社する予定だったのですが、卒業直前にその話がなくなってしまい……。結局、日常的に描いていたスポーツ選手の似顔絵をポストカードに印刷していたものなどをポートフォリオとして出版社に持ちこみ、そこから間違い探しのイラストだったり、雑誌の挿絵などを描く機会をいただくことで、生計の足しにしていました。当初の計画どおりではなかったのですが、想定よりも早くイラストレーターになることができたんです。

ただし、それだけでは生活が成り立たなかったため、フリーペーパーを作る小さな会社でアルバイトをしたり、週末に似顔絵のイベントを手伝ったり、あの手この手で収入を得ながらイラストの仕事を少しずつ増やしていきました。その会社でデザインを納品するためのデータの取り扱いかたといった基本を覚えられたのは良かったのですが、一刻も早くイラストレーターとしての仕事をもっと増やさなければならないとも思っていました。

当時は、ちょうどFacebookが流行り出したタイミングだったため、Facebook上のコミュニティを通じて開催されるオフ会に参加し、地道に名刺を配り始めました。そこからのご縁でつながった企業さんからちょっとしたイラストの仕事を請け負うようになり、少しずつ仕事が安定していきました。当時も、サッカー雑誌の挿絵を描いていましたが、そこから仕事が広がることはあまりなかったため、切り離して考えるようにしていましたね。

イラストレーター りおた(RIOTA)さん
イラストレーター りおた(RIOTA)さん

現在は、挿絵を描くといった仕事の割合はかなり減りました。最近はおもに広告物のメインビジュアルやグッズのデザインなどを手がけることが多く、パートナークリエイターとして提携しているホットリンクさん経由で、企業案件のクリエイティブ制作依頼をいただくことも増えています。

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